大判例

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札幌地方裁判所 昭和44年(わ)619号・昭44年(わ)743号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(罪となるべき事実)

被告人は、

1 法定の除外事由がないのに、昭和四四年八月三〇日ころの午後一〇時ころ、札幌市北一八条西二丁目中井政信方二階被告人の居室において、刃渡り約三四センチメートルの刀一振(昭和四四年押第一四八号の符号一)を所持した。

2 法定の除外事由がないのに同四四年九月三〇日ころ、同市北一四条東一二丁目藤田亀五郎方二階の当時の被告人の居室において刃渡り約四八センチメートルの日本刀一振(前同号の符号二)および刃渡り約三三センチメートルの短刀一振(前同号の符号三)を所持した

ものである。

(法令の適用)

判示1、2の所為 包括して銃砲刀剣類所持等取締法三条一項、三一条の三、一号(懲役刑選択)

執行猶予 刑法二五条一項

保護観察 同法二五条の二、一項

没収   同法一九条一項一号、二項(罪数について)

判示1、2の各刀剣不法所持の行為について、検察官は所持の日時が約一ヶ月間の間隔をおいているためか、併合罪の主張をしているものの如くであるが、本件各証拠によると、判示1の所持日時ごろには判示2の刀剣もあわせて同じ自己の居室内に所持しており、その後住居を判示2の場所に変えたのちも引き続き2の刀剣を所持していたというのが本件の社会的実体であることが認められる。そうだとすると、判示1および2の間に、一ヶ月の期間のずれがあり、また場所を異にしているというのも、単に訴因記載上の技術によるものにすぎず、1、2のとおり各別の所持があつたからではない。このような関係にある不法所持については、これを包括して一罪と評価するのが相当である。そうでなければ、同じ実体をもつ不法所持について、検察官が、判示1の日時における刀剣三本の不法所持を訴因とするか、あるいはこれを本件1、2の二回の日時に分けて各別の訴因とするかという訴訟手続上の差によつて、実体法上の取扱いにまで差を生じるという不都合な結果になるからである。(秋山規雄)

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